1er étape 2eme étape

10/08/2008

ひとつの時代の終わり

名古屋ローカルな話ではありますが、
83年に登場し(その頃は僕はまだ北の大地でしたが)、
バブルの時代、まだ高級スーパーなんて他に明治屋ぐらいしかなかった頃から
僕たちに世界中からいろんな食材を提供してくれていた地アミ・ハロードゥインターナショナル。
ナフコ(注:地元安スーパー)とかでは考えられない様な値札のついた
フルーツや野菜やあんなものこんなもの。
そしてそれをポイポイとカゴに放り込んで行く客たち。

何かちょっと異質な空間でした。
『こんなところで野菜買うのかよ!』
『フツーにドリアン売ってるし...』

エレヴェイタには乗務員がおり、レジは1台に2人体制。
しかも若くてきれいな娘さんばかりだ。
昨今の『セルフレジ』隆盛の対極かな。
1階にはMaxMaraの店まである。

そんなバブリーな店が、青山でと云うならともかく、
名古屋のはずれのこんなところで今の今まで続いていた事の方が奇跡なのかも知れない。

僕が初めてこの店を訪れたのはいつだっただろうか?
自転車でなければ行けないところだから自転車を買ってからだろうし、
自転車を買った僕もだからと言って遠出をし始めたわけでもなく
相変わらず下宿と大学と定食屋と銭湯が収まる小さな円内で活動していた。

大学3、4年になってようやく名古屋の東部に進出し始めた様に記憶しているから
多分その頃だったんじゃないかな。
別に自炊していたわけじゃなかったから食材を買いに行っていたわけではないけれども、
何か物珍しさで引かれて行っていた様に記憶している。
ベルギーのチョコレートとかフランスのお菓子とか、
そんな他愛のないものを買ったのが最初だったと思う。

よもぎ台付近、打越から東邦高校へ向かう坂道辺り、藤が丘。
名東区には名古屋の他の地域にはない独特の匂いがあった。
なんて言うのかな、懐かしい80年代の空気が漂っているとでも言おうか。
21世紀に入ってそう云った空気も次第に薄れて行ってしまったが
今回のハロードゥインターナショナルの閉店は
それを決定づける一つの記念碑の様なものかも知れない。

今日の帰り道、久し振りに地アミへ行ってみた。
水曜日は定休日なのか他の専門店は皆閉まっていたが、
ハロードゥはひっそりと営業していた。
店内の商品はあらかた片付いてしまってがらんとしている。
何だか不思議な気持ちだ。
あのハイソな光景はどこへ行った?

ここ10年以上、笠井家の常用油は京都山田のなたね油だったが
この先それを一体どこで買えば良いというのだ?
元々ごま油がメインの油屋だからネットを見てもごま油しか売っていない。
いらねえよ、ごま油なんか。

最後に、また、ヴォジェンヌの飴でも買って帰ろう。

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